「セックスとは孤独の克服である」偏差値78のAV男優が語る"性"の哲学 講談社文庫『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』発売記念 トーク&サイン会 #1/2 2016-07-22 21:30
本を書き始めたきっかけ森林原人氏(以下、森林) :ありがとうございます。高いところから失礼します。
(会場笑)
森林 :今日は足元の悪いなか、はるばる来てくれてありがとうございます。緊張していますけれども、みなさんの顔ぶれを見ると和みます。初めて僕と会った方も少しはいると思うので、それを前提で話を始めたいと思います。今日は1時間くらいですけれども、よろしくお願いします。
(会場拍手)
森林 :じゃあ、座らせてもらいますね。まず、この本を出すいきさつから話させていただきたいと思います。
<blockquote><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4062934310?tag=" target="_blank">偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論 (講談社文庫)</a></blockquote>
花房観音(はなぶさかんのん)さんという小説家の方がいらっしゃって、その方は元々、AVライターをやっていてたんです。AVを見て、どこのシーンがおもしろいとか批評を書いたりする仕事ですから、AV業界の方とわりと親しいんですね。
まず、市原さん(市原克也氏)。市原さんはアテナ映像の作品によく出ていて、隊長とか呼ばれている、スキンヘッドの方です。その市原さんと花房さんが仲良くなって、そこから銀次さん(佐川銀次氏)とつながって、代々木さんともつながり、僕も呼んでもらってるアテナの忘年会にいらっしゃるようになったと。
そこで初めて会ったんですね。花房さんは僕の映像をけっこう見ていたんで、はじめましてだけどはじめましてじゃないですみたいな、そういう感じで話をしていくなかで、僕がビデオ・ザ・ワールドという雑誌で、男優の黒田くん(黒田悠斗氏)と一緒に書いていたコラムというか男優日記を読んでいましたみたいなことを花房さんが言ってくれて。
花房さんが、「書く仕事とかは好んではしないんですか」と聞いてきて、僕は「書きたいんですけど、ビデオ・ザ・ワールドは廃刊になってしまいまして、今は書く場所がないんです」と言っていたら、『女子SPA!』という、SPA!の女子向け版のところに話を持っていってくれて、そして「性活相談」というコーナーを始めさせていただくことになりました。
そこでは真面目にいやらしい相談に答えているんですけど、週に1回くらい、もう60回くらいになって、1年続けさせていただいていて。そういうのを書かせていただいていくなかで、今度は講談社のほうで花房さんが『指人形』という小説を出すので、その解説を書いてほしいと頼まれました。
僕は今まで、現場であったこと、こんなおもしろい女優がいました、とか。しみけんがうんこ食いましたとか。そういう話は書いてきたんですけど、本を読んでそれについてを解説をする、というのはしたことがないから、自信がないです、という話をしました。すると、「感想文みたいな感じでもいいから」とハードルを下げてくれて、それで書いてみようということになりました。
書かせていただいたら、思いのほかよかったと言っていただき、担当の方から、「1人で1冊書いてみませんか」と声をかけてもらったので、「ぜひとも、書きます」と即答して書くことになったんです。
AV業界で一番いいセックスをする男優どんな話を書こうかなと思ったとき、AV業界の方の出した本って、大抵女優さんなんですけど、自伝が多い。こういう幼少期を過ごして、こういう恋をして、こういうことがあってAV女優になったみたいな感じで、どっちかっていうとハードな人生を送ってきたみたいな。悲惨なほどおもしろいですよね。そして最後は「人生楽しんでます」とか。そんな感じの内容が王道なんです。
でも僕はそんなハードな経験がない。少年院に入ったこともないし、親が離婚して親戚をたらい回しにされたとか、そういうのもない。ごく平凡な人生なんです。普通のサラリーマンの家庭で、普通に育って、兄がいるんですけれども、普通に仲良くて。
そういう普通の生活をしている僕なものですから、あまりおもしろくないんじゃないかなと。実はそういう自伝っぽいやつもちょっと書いたりしたんですけど、なかなかまぁ、しっくりきてもらえなくて、苦肉の策で書いた佐川銀次さんの章が、「これですよ、これ」と言われまして。
これから読む人にはネタバレになっちゃうから、あまり詳しくは話さないんですけど、佐川銀次さんという男優さんがいて、僕はこの人が、いまのAV業界のなかで、一番いいセックスをする人だと思っているんです。
一番いいセックスというのはどういうことかというと、女の人をイカせるとか、女優のエロさを引き出すことがうまいとか、ショーみたいな、こんなに見せれますみたいなセックスとも違う。
終わったあとに、男優側も女優側も、気持ちよかったではなく、「幸せだった」みたいな。そういうセックスをする人なんですよ。で、どんな顔しているのかというと、検索してもらえればわかりますが、まあ男前じゃないんですよ。
(会場笑)
愛嬌ある笑顔するから慣れるといい顔に見えてくるんですが。銀次さんは器用な方なので、現場によっては、そういうパフォーマンスとか、潮吹きセックスとかそういうこともするんですけど。
僕が銀次さんとよく会う代々木さんの組では、本気で見つめ合っていて、2人の世界をしっかり作って、傍からしたら見ちゃいけないものを見せられてる感じなんですよ。
でも、銀次さんと女優さんは初対面なので、恋に落ちるわけないだろって思うわけですよ。あの男に。
(会場笑)
間違っても一目惚れするようなタイプじゃないですよ。
銀次さんは奥まで入れてグリグリする昔、男優界一イケメンの一徹(鈴木一徹氏)と銀次さんとで女優を取り合うって内容の現場があったんですよ。どちらでも選んでいいよ、と言ったら100パーセント絶対に一徹にいくんですよ。
だけども、一徹が途中で、中折れしたりとかなにかちょっともたついた時に、銀次さんが現れて、でっかいそのモノを見せつけて、「ちょっと入れてみる?」みたいな。一徹がもたもたしているもんだから、奪われちゃって。
銀次さんがしようものなら、女優さんは、まず最初に銀次さんのモノの大きさに驚いて、悲鳴のような喘ぎ声を上げるんですけれども、そこから銀次さんが特殊な動きをするんですよ。
普通、セックスというのは出し入れをするんですけど、銀次さんは出し入れしないんですよ。奥まで入れて、グリグリするんですよ。
<img src="http://i0.wp.com/img.logmi.jp/wp-content/uploads/2016/07/IMG_3780.jpg" alt="IMG_3780" width="550" height="346" class="alignnone size-full wp-image-153634" /> そういうことされたことあります? たぶんないと思うんですよ。AV業界でも、そんな動きする人、銀次さんしかいないんですよ。
それで気持ちいいのかなあと思うんですけど、女の人はだんだんと盛り上がってくるんですね。それは激しくピストンして無理矢理快感を上げられていくのとは違って、入っているというだけで、女の人がだんだん勝手に高まってくるって感じなんですよ。それを銀次さんは、つぶらな瞳で眺めているんですよ。
あまりにも見つめられるから、女優さんがちょっと目をそらしてしまうと、銀次さん、「俺を見ろ」って。「見たくないからそらしたんだろ」みたいにと言われちゃうんですけど。
(会場笑)
でも、つながったまま、動かないで、見つめ合ってるだけで、女の人がイクッてなったり、涙を流したりするんですよね。それってすごいなと思って。もうその頃には一徹の出る幕なくなっているんですよ。そういったことを銀次さんの章で書いてあります。
僕らからすると、銀次さん、いつものようにやっているね、という感じなんですけど、あまりふだん、銀次さんのことを見ていない人からすると、変わったセックスをするねと。そういったところが読み物として受け入れてもらえたのかなと。そういうことを書けばいいのかと、きっかけを銀次さんで掴んで、そこからは比較的順調に書き進めていけました。